はじめに
随分前に二人の子供にせがまれて飼い始めた犬がいました。
当時捨て猫が多く、その中に混じったただ一頭の犬でした。
猫は貰い手を捜し、飼うのを許したのは目も開いていなかったその犬だけです。
子供達には 犬は遊んでくれるから と
妻には 犬はコミニュケーションがとれるから と言ったのをよく覚えています。
立つ事もできなかった犬は子供の遊び相手としては余りにも小さすぎ、あっという間に私の犬になってしまいました。
我が家にはかつて何匹か犬がいたという経験もあり、ある程度の大きさになった時「さて、何ができるかな」とお勉強が始まりました。 「お父さん小学校」です。
知識も先入観念もなく「犬はコミュニケーションがとれる」という経験だけでしたが、当時言っていた「アイデアだけが勝負」というのは当たっていたようです。
幾つか言葉を教えるうち、確認やこちらからの質問の必要から左右の手を使う、言うなれば「選択のお手」が始まりました。
犬にも私にも簡単に使えるコミュニケーションツールを手にしたわけです。
始めは 犬に覚えられる事は少ない というような風説の影響を受けていたので、「何を教えようか」などとケチっていましたが、箍が外れるのに時間はかからず、程なく簡単な会話へと進むことになりました。
その頃ネットなど見ることも無かった私は、他の人はどうしてるのかと思っていたのですが、妻に呼ばれ見たテレビで同じやりかたで会話をする犬を見つけました。
その後 数字 の問題が出てきました。他の犬はどのくらい出来るのかとテレビで見つけた犬や他の同じ事をしている人達を探し始めたのですが、そこからが苦労の連続でした。同時にネットでも調べ始めたのですが、結果は凄惨ともいえるもので、かえって私には警戒心が芽生える事になりました。無断で引用させていただきますが「俺は愚か者の横綱だそうだ」と笑っていたものです。
ネットが危なそうなので直接知識のありそうな人を探しましたが、今までの多くは空振りです。西に東にと 随分時間を浪費してしまいました。
しかし、当時より犬に対する誤解から来るひどい文章をよく眼にしますし、犬との約束も有ります、ビデオをネットに晒してみようと思い切りました。
似た事をされている方、興味をお持ちの方に是非ご覧頂きたいと思います。
誰かのお役に立てれば幸いです。 何よりも、犬を知らぬ人に「心が無い」とまで言われている犬たちの何がしかの役に立つかも知れないと思うのです。